……国土交通省による一般名詞では、そう呼ばれる。
けれども、ちょっと古い人にはたいていこう呼ばれる。
『ロスナイ』
三菱電機による全熱交換ユニットは商品名を『ロスナイ』という。
熱交換することによって、エネルギーの『ロス』が『無い』から
『ロスナイ』なのである。
(全然『無い』わけじゃなくて、『減らせる』だけなのだが)
他、いろいろなメーカーで、
『ロスノン』とか『ロスフリー』とか
いろんな商品名を作り出したが、
先行メーカーの商品名が一般名詞化するという
通常の現象が起きたまででのことだ。
そして、商品名を一般名詞として使えない役所が
新たな一般名詞を創造したという、やはり通常の現象により
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編) には
『全熱交換ユニット』として記載されるようになっている。
壁掛形、床置形、天吊形、天埋形など
いろんな形式が存在する。
とある現場についていたのは、
天井カセット形。
の、天井パネルを取り付ける前の状態。
今どきは、樹脂部材が多くなって
金属部分がかなり少ない。
だから、かなり軽い。
まあ、天井吊りになっているモノは
軽いに越したことはない。
パネルがついちゃうと、
こんな中身は見えなくなる。
普段見えないけれど、
こっそりとはたらく。
それが、「せつび」なのだ。
そういうのを設計する人がいて、
そういうのを施工する人がいて、
そうやって、建物が機能しているのである。
(「天カセロスナイの中身」おわり)