『永山記念公園』というところがあって。
この『永山』は『永山武四郎』のことであって、
鹿児島出身ながら、第2代の北海道庁長官ともなった人物である。
この公園の一角に、旧永山武四郎邸と、旧三菱鉱業寮とが遺されている。
左側、グリーンの外装なのが、旧三菱鉱業寮。
右側の茶色いのが、旧永山武四郎邸である。
オシャレなロゴが、作られている。
武四郎邸は、北海道指定有形文化財
寮のほうは国登録有形文化財である。
昔の木造家屋。
さぞ、寒かったに違いない。
屋根からの落雪で窓が割れるので、
冬期には雪囲いが施されている。
内部は、和風の造り。
見学できるほか、
申し込めば撮影会なども開催できるという。
本州仕様の縁側。
流石に吹きさらしということはないが、
これはどう見ても寒そうだ。
現代の要請に耐えるべく、
暖房機が取り付けられている。
室内の暖房も、
これだ。
灯油コックボックスが見えるから、
灯油ストーブを置いていた時期もあったのだろう。
台所の流し。
水道管を通していた孔を塞いだような跡が見られる。
そして、便所。
今では、トイレは「水回り」の一つであるが、
昔はただの「排泄場」でしかなかったのだ。
小便器も、ね。
掃除も大変だっただろう。
こうやって、少し昔の建物を見ると、
現代社会の有り難さを痛感するのである。
そして、それに大いに貢献しているのが
「せつび」なのである。
もちろん、断熱材とか建具とか建築の要素も
すっごく発達しているのだから
「せつび」だけじゃないんだけれど。
(「旧永山武四郎邸」おわり)