支笏湖畔に建っている「ビジターセンター」。
「支笏湖」は「しこつこ」と読む。
こんな形の、カルデラ湖である。
大昔、ここに位置した大火山が噴火し、
地中の噴出物を遠方まで撒き散らして
その空洞が陥没してできたカルデラ湖であるという。
水深が深く、対流によって湖面温度がプラスに保たれるために
「不凍湖」としても知られる。
(ただし、ごくたまに諸条件が整うと氷結する年もある)
そんな、支笏湖の湖畔に
温泉宿泊施設群や土産物店街が形成されている区画があり、
その外れに、ビジターセンターが建つ。
この地図の中央少し左である。
フラッシュの光点が邪魔で申し訳ない。
センターの中には、地形や地質、動植物に関する展示がある。
北海道といえば、クマであるか。
こんな木の展示物も。
「二重根」という、火山活動の証拠らしい。
このセンター、傾斜屋根なので
天井付のいろんな設備が苦労して取り付けてある。
写真にしてしまうと、今ひとつその「苦労」が
見えてこなくなってしまっているが。
やたらと目立つダクトが2本、
床から生えている。
どうしても、納まりがつかなかったのだろうか……
というわけではなく。
敢えて、目立たせているのである。
ここは環境省の施設なので、
ものすごくアピールする必要があるわけだ。
冬の支笏湖畔は、寒いのである。
換気用の外気を取り入れるのに、
そのまんまいれたんじゃ、芸がない。
地中に埋めたダクト内に外気を通すことで、
地熱を利用するのである。
「ヒートチューブ」である。
この日この時は、外気温−3.4℃。
かの地としては、だいぶ暖かかったようだ。
これが、+5.4℃の地中で暖められて、
建物内に入るときには+4.0℃になっている。
逆に、夏ものすごく暑い地であれば、
夏の外気を地中に通すことによって
冷やすことができる。
その場合には「クールチューブ」と呼ばれる。
夏も冬も利用するのであれば
「クール・ヒートチューブ」だ。
外気負荷が大きい地域では、
かなり有効な手段ではないかな?
(「支笏湖ビジターセンターの展示アピール」おわり)